子供たちに”学ぶ喜び、生きる喜び”を味わわせ、悩みや苦しみを分かち合える仲間づくりを支援します
一般社団法人 育学舎こころん
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親の大きな決断

クラスに一人くらいは、
トラブルの中心にいつもいる
という子どもがいます。

私が、担任した子の中にも、
毎日のように誰かと
トラブルを起こしていた
子どもがいました。
小学3年生で担任をしました。

ちょっとしたことなら、
子ども同士で解決するのですが、
けがだったり、物が絡んできたりすると、
保護者にも連絡をしなければなりません。
お母さんと子どもと二人で
いろんな所に謝りに行くことが
とても多くありました。

学校でそんなことにならないように、
見ているのですが、トラブルは、
教師の見ていないところだったり、
「あ!」と思ったときには、
もう手が出ていたり。
なかなか止めることが
できませんでした。

その保護者は、
私が担任する前に
発達障がいを疑っていたようで、
3つの病院を予約していました。
1か月待ち、3カ月待ち、
6カ月待ちだったようです。

全部の病院で診察してもらった後、
保護者が選んだ選択は服薬でした。

もちろん、選択するまでには、
いろいろ悩まれていました。
試しに1週間服薬してみる
ということもしました。
たまたま、その子には、
その薬が合っていたようで、
服薬してきた日の行動は、
全く別人のようにおとなしく、
話が最後まで聞ける子に
なっていました。
しかし、ご飯が少ししか
食べられないという
副作用もあったようです。

しばらくは、
保護者も不安でいたようですが、
2年後のその子は、
見違えるような姿で
教室で学習をするように
なっていました。

数年後、教師をしている友達と
話をした時に、
「今、担任している子の保護者が
服薬するというから、
副作用があるから薬なんて
飲まないほうがいいと話した。」
と言いました。
私は、経験したことを話し、
最終的に判断するのは、
保護者だという話をしました。

まだ、成長期の子どもに
薬を飲み続けさせることは、
身体にとってあまり良いことだ
とは言えません。
しかし、メリットとデメリットの
バランスでデメリットのことを考えても、
メリットの方が優先されるべき
と判断された時には、
服薬もよいと思うのです。
ただ、メリットだけを考えて
服薬するのであれば、
しっかりとデメリットについて
考えてもらうことが必要だと思います。

簡単に決められることでは
ありません。
医者と保護者で
しっかり考えて
決断してもらうことが大切です。
他人の教師は、
教師としての意見を
保護者に伝えることしか
できません。

私が受けもったその子どもの
お母さんは、その後、
中学生になり
部活でレギュラーとして
頑張っている頃、
「薬を飲ませて本当に良かった。」
と話してくれました。

風邪をひいたときには、
薬を飲んだ方が
早く治るときがあります。
風邪の薬と同じレベルでは
考えられませんが、
本当に辛くて仕方がない時には、
頼れるものに頼ることも大事だ
と思っています。