暑い時期が来ると、
私が特別支援学級で
担任したある男の子を
思い出します。
彼は、前学年までは、
通常学級でしたが、
学習遅滞があるということで
入級してきました。
身長は、他の子たちと
さほど変わらない
大きさでしたが、
体重が、ちょっと
他の子と比べると
大きかったです。
それもあって、
校外学習で長距離を歩くと、
座り込んで
歩けなくなってしまったり、
暑さには、とても弱かったです。
学習をしていて、
なかなか理解できないと、
目が自然に
閉じていってしまう
という子でした。
自分の好きなことの
話になると
口が止まらず、
ずっと話を
聞かせてくれていました。
パソコンの操作も
すごく長けていたと
思います。
始業式が終わって
教室に戻るときに、
前年度の友だちと
違う列に並んでいる彼を見て、
その友達に
「なんでそこにいるの?」
と聞かれ、彼は、
「おれさ、バカじゃん。
だからこの学級で勉強するの。」
と答えていました。
それが、今でも
忘れられません。
そんな思いで
入級してきているんだと、
涙が出てきそうになりました。
今でも、思い出すと
泣けてきます。
下級生のクラスメイトの
自閉症の子に興味を持ち、
「なんで怒っているんだ?」とか、
「何を書いているんだ?」と
声をかけていました。
学級文庫に
発達障がいの本をシリーズで、
買ってもらったのですが、
彼は、その本をかわるがわる読んで、
「〇〇ちゃんは、
この障がいなんだよね。」
「おれは、この障がいなのかな?」
とつぶやきながら
読んでいたことを
覚えています。
彼は、バカなんかじゃなくて、
興味のないことに対して、
身体も心も拒否をしてしまうように
なってしまっただけで、
ちょっとでも興味を持てば、
一人で学習をする力もありました。
その年の途中から
入級してきた
1つ年上の男の子と
とても仲良くなり、
今でも二人は、
交流しているようです。
友達もできるし、
自分で学んでいくことも
できす。
たくさんの人と
交わることは、
苦手でしたが、
だれかれ構わず、
声をかけて
疑問に思ったことを
聞くこともできていました。
みんなと同じ場で
勉強できないから、
みんなとは違う・・・
そんな意識が、
この世からなくなると
いいなと思っています。
ただ、
その人その人に合った場所で、
生活するだけで・・・
場所が違っても、
みんなで助け合って
生活していくことには、
変わりがなくて・・・
男女問題でもそうですが、
”区別”は必要だと思います。
それぞれに違いがあるのだから。
しかし、”差別”は
なくしたいと思っています。
”区別”と”差別”は、
行動よりも、
気持ちの問題だと思うので・・・
難しい問題だと思っています。
全く、”差別”がなくなるのは・・・
難しいのかもしれません。
同じ思いを持つ仲間が
増えていくことを
望みます。
なんだか心の奥が、じーんとするお話ですね。
頭の中ではわかっていても、知らず知らずの間に
区別と差別がわからなくなってしまっているかもしれません。
勉強になります!
ぜひ、意識してみてください。
自分に近い人や子どもだと、区別できていると思うのですが、ちょっと遠い関係の人になると差別しちゃっていることって、結構あったりします。
意識するだけで、ずいぶん変わるものだと思っています。